美容室、閉店の危機

2011年の秋、自身で営業している美容室を閉店してしまうのでは?私が鬱病になってしまうのでは?と多くのお客様に御心配お掛けしてしまった事がありました。

それは長年、二人三脚で共に仕事をし特に親子の絆の強かった母が、突然に亡くなったからです。物心ついたときから母と二人きりの生活で寄り添って生きてきました。

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 母が生計を立てる為に始めた美容室で 椅子に 乗る私と鏡に映る母                           

                        

昭和30年代ではパーマは、まだ電気パーマ(ホットパーマとも呼ばれ、それに対し現在のパーマはコールドパーマと呼ばれています)が盛んで巻き込んだ髪に電気コードの先を挟み電熱でウエーブ形成するものです。写真の一番左の椅子の上部には今では見る事も出来ない電気パーマの器具が写っています。母からの話だと当時はコールードパーマの方が 高 価格だったそうです。 

                                                              

母が美容室の収入で生計を立てての母子家庭!「娘には悲しい思いは絶対にさせてはならない!」との母の信念の元、母の背中を見て育った私は同じ美容師の道を進む事にしました。現在に至るまでには色々と人生の右葉曲折が色々ありました。

 

穏やかな日々

人生の大きな変化があり、その後、母と2人で現在の地に縁あって美容室をオープンしました。親子二人が生活していく為の基盤を作らなけばなりません。その為には早く沢山のお客様に利用して頂ける様になる事です。それを目指して必死でした。間も無くお客様のお陰で生活の安定を得られる様になり穏やかな日々が続いていました。

 

突然の母の死

二人三脚で日々、美容室を営業していたある日、朝、起きてみると母が亡くなっていました。私は常に母と寄り添って生きる中、引っ込み思案で母の背中に隠れている様な子供でした。この世で何が怖いか?と言うと母がいなくなってしまった後の自分の人生です。母が死んでしまったら私は1人で生きていけるのだろうか?これが当時、私の人生のテーマでした。母は自分が亡くなった後、私の事が心配でならず母にとっては、これが一番のテーマだったのです。日々、母が言っていた事はやがて自分が亡くなった後「いつまでもメソメソしていたらダメだよ!お店も早いとこ開けるんだよ!」といつも口癖のように言ってました。

 

突然の別れの中、斎場で私が独りぼっちなのは余りにも可哀想だと友人2人が斎場に泊まってくれました。お葬式の夜から独りっきりの生活が始まりました。この時の思いは人生、最高に辛いものでした。

 

生きる事が楽しいと思える日!本当に来るの?

母の遺言を守らなければと必死で亡くなって5日目から店を開けました。何も知らないお客様は「あれ?今日はお母さんは居ないんですか?」と、事情を説明する度に涙します。当時、私は人生の先輩に聞いてみました。「私って!生きる事が楽しいと思える日が来るのだろうか?」先輩は答えました。「あのね!そうゆう日は必ず来るよ!大丈夫だからね!」と,悲しくても、いつもと変らぬ日常が過ぎて行きました

 

3ヶ月位の時が過ぎた頃「誰だって永遠には生きられない。だれでも寿命が来れば仕方のない事!皆が通って来た道なのだ!」と思える様になり少しずつ元気を取り戻していく様になりました。

 

 

今の私の 生死観

生きている日々の積み重ねの中で人は必ず老いていきます。今になって感じるのですが若い時は自分の老いや死は遥か遥か彼方にあると思っていますが意外にも、このスピードは速いのです。私は死んで終わりでは無く永遠の生命を感じます。死とは今世の使命を終わり次に瑞々しい生命で生まれて来る為の仕切り直しをする事だと思っています。死とは次の新しい生へ向けての準備、充電期間に入ったとの解釈です。又、時が来たら何処かで生を受け次の人生が始まる。そう思うと希望が湧いて来ます。そう悲しまなくても良いんだ!という事に気が付きます。

 

 

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以前から人生の先輩に「強くならなければ幸せにはなれないのよ!」との言葉は常に聞いていました。いくら環境が整っていても心、弱くては幸せは感じられない!心、強ければさほど環境は整って無い様に見えても幸せを感じる事が出来る!幸も不幸も全部、自身の中にあるとのお話でした。

 

母の死を経験して本当に先輩の言葉通りだと実感しました。今は日々、色々なお客様と出会い、お喋りしながら仕事をさせて頂き楽しさ感じられる日々です。

「お母さん!お店を閉める事なく頑張ってるよ!私は元気でいるから、どうか安心してね!私、大丈夫だからね!」

「お前が元気で頑張っているから嬉しいよ!」と母の声が聞こえる様な気がします。

本当に先輩の言った通りになりました。先輩!有り難う!