卒業式の袴姿、小学生に於いて賛否両論 

愛知県、名古屋市に在住していますが3月19日は公立小学校の卒業式でした。

他の地域の事は何も分かりませんが名古屋市の公立小学校だと中学、高校と違い殆どの学校で制服は無く私服で学校へ通っています。

 

小学校での卒業式での服装と言えば10年位まえ迄は洋服が殆どで一時は皆、競ってジュニアのデザイナーズブランドの服を着て出席していました。

 

女生徒の場合は当日は一人一人が思い思いのヘアースタイルにするのにセットの為に美容室に予約を入れ早朝から美容室へ出向くものでした。

 小学校の卒業式、8割りの女生徒は袴姿

名古屋市に於いては、ここ数年前から女生徒の袴姿が多くなりました。10年程前まではクラスに1人か2人で非常に目立っていましたが昨今では8割方が袴になってしまいまい逆に洋服の生徒が目立ってしまう現象が起きています。

因みに男子生徒に於いては2割程度が袴です。

 

 

先日、3月19日に行われた卒業式の1クラスの集合写真 、洋服の女生徒は2人   

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男子生徒の袴姿は2割程度

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和装業界の方々によるセット、着付けにより美容室でのセット、着付け激減 

私は美容師をしていますが、殆どのセット着付けは美容室から和装業界へと移行されてしまいました。今では美容室でのセット、着付け依頼は激減してしまいましたが今回は予約が入り卒業式当日、早朝6時に訪問着付けに行って来ました。

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袴の着付けの予約に合わせて、練習用のボディーでトレーニングしてみました。

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 美容室でのセット、着付け激減の記事はこちら

 

www.9rumisan.com

 

小学生の袴に問題提起

 「格差を助長しかねない」「子供にふさわしくない」等と賛否両論、意見が分かれて保護者に自粛を呼びかける自治体も出てきました。

 

「服装が華美になり過ぎる」「保護者の経済的な負担が大きい」等、また「学校で着崩れしても直してくれる人がいない」「トイレへ行く時が大変」なども気掛かりな事の様です。

日本人として和装の歴史ある文化を受け継ぎ守るのはとても良い事なのですが・・・
小学校の卒業式の袴については賛否が分かれているようです。

 



卒業式に於ける袴の人気と背景

袴が人気になった要因の一つに指摘されるのはメディアの影響もあると言われています。

女子高校生が袴姿で競技カルタに臨む姿を描いた漫画「ちはやふる」や、和装姿が度々、登場するTVドラマ「ちりとてちん」等の影響を受け10年程まえから袴姿の女生徒が小学校の卒業式で目につく様になりました。

一部の在校生が卒業式に参加し袴姿の卒業生を目のあたりにし「私も卒業の時には絶対に袴を着たい!」そうゆう児童が増えて年々、はかま熱は高まっていった様です。

 

 そして和装業界は新たなニーズに応えてゆく事になります。

それまでは成人式や大学の卒業式に向けて振袖や袴のレンタル、販売をやっていた業界が、こぞって小学生の袴の取り扱いに取り組む様になりました。

 

因みに現在ではすっかり定番となった女子大生が卒業式で着る袴姿は1970年代後半頃から普及しました。漫画『はいからさんが通る』やNHKの連続テレビ小説の影響があったと言われています。

 

 

一年近く前から袴の予約

卒業式終了後は、すぐに来年度の卒業生がレンタル屋さんへ出向きます。一年近く前から気に入った色、柄をレンタル出来る様に早めに予約するのです。

 

レンタル屋さんで予約した場合、着付け、ヘアーセット、写真とパック価格で4、5万円は必要だと聞いています。

中には経済的に厳しい家庭も少なく無いと思いますが、殆どの女生徒が袴姿となると親としては何とかしてやりたい、子供には心さみしい思いはさせたく無いと思うのが親心。あるシングルマザーの方は実家の親御さんに助けて貰って袴を着せたとの事でした。

 

周りに左右されない信念のある行動

 特別に「袴を着せたい」「着たい」わけでは無いけれど・・・

「人と同じでないと安心できない、自分だけ目立つのは嫌だ!」その様な理由で周りと同じ行動をしたくなるものです。

 

しかし、周りの状況がどうであれ「洋服で参加する(させる)袴は着ない(着せない)!」と自身の考えで信念の行動が出来る人は、これまた凄いことで素敵な事だと思います。

 

 

あまり華美になってはよく無いと、ある小学校では校長先生が「禁止令」を出そうとしました。

しかしPTAの御母様方より、「もう既に来年度の予約を入れてあるのに誰がキャンセル料を支払うのですか?」と質問されてしまいました。そこまで気が付かなかった校長先生、「そうか!ならば再来年から!」との事になった話もあります。

 

しかし、そうなると和装業界の方々にとっては折角、自分達にとって良い方向性が見えてきたのに・・・と不満の声や反発が有るのも事実です。

 

袴の歴史

袴の起源は古く古墳時代から着用されていたと言われています。

明治以前に遡ると袴は平安時代に宮廷に仕えていた女性達が着用していました。

明治時代になり袴は動きやすく礼容(礼儀正しい様子や態度)を兼ね備え学ぶに、ふさわしい身なりとして女学校で制服として採用されました。

当時は高等女学校への進学率は低く当時の女学生は多くの女子達の憧れの対象だった様です。

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大正8年3月山梨県、甲府市の女学校の寄宿舎に入って学んでいた祖母の卒業写真

前列は先生方の様です。

 

 

明治以降から大正にかけて女学生達はその時代のファッションリーダーと成って行きました。

明治の終わり頃に革靴のブーツが販売されると、強い西洋への憧れの中、いち早く取り入れ袴にブーツを履いたスタイルを流行させました。

 

この様な歴史と背景から卒業式という厳かな式典の時の衣装として長年の間、着続けられているのでしょう。

1970年代後半(半世紀近く前)から普及し始め現代では当たり前になった女子大生の卒業式での袴姿のように、これからは女生徒に限っては小学生の卒業式での袴姿も当たり前になる日が来るのでしょうかね⁉️