美容室でパーマやカラーした後、自宅でのケア方法はどんな事に気を付ければ良いでしょうか?
- シャンプー剤の選び方
- 無添加の商品は良い商品?
- シリコーンって髪によくないの?
- 自然由来の染料だから髪や頭皮に優しいとは限らない!?
- 温泉って♨️肌に良いから髪にも良いんでしょ!
- 髪のダメージが大きいのは海、それともプール?
- ペーハー(PH)を調べてみました。
- 髪が湿ったままで寝ると翌朝、バサバサは何故?
シャンプー剤の選び方
毎日の様に使うシャンプー剤の選び方は以外と大事です。容器やパッケージの裏側には製品の情報が載っていますので確認してみましょう。
シャンプー剤の成分表 トリートメント剤の成分表
成分の多い順に表示されている事が多いです。
シャンプー剤の場合、一番に多い成分が水、次に洗浄成分と続きます。洗浄成分は製品中30%〜40%位の製品が多いです。この洗浄成分、如何により髪の傷み具合に差が生じて来ます。
- 高級アルコール系•石けん系
- αスルホン系 • スルホコハク酸系 •酸性石けん系
- タウリン系•アミドエーテル硫酸系•グリシン系
- アラニン系•アミノ酸系•ベタイン系
- タンパク質系•グルタミン酸系
上に行くほど洗浄力が強く傷み易い
下に行くほど洗浄力が弱く傷み難い
毎日、シャンプーする人が大半ですから、その度に強い洗浄力の製品を多用しているとダメージを起こしやすくなります。冬の乾燥の時期であれば毎回シャンプー剤を使用しなくてもお湯でしっかり、すすげば6割〜8割の汚れは落ちてしまいます。ですから毎回、洗浄力の強いシャンプー剤で頭皮や毛髪に負担を掛けるより2日に1回は、すすぎだけで充分な事も有ります。
髪の傷みが気になる場合は穏やかな洗浄力の成分が最初に表示されているもの、逆に皮脂が多く脂っぽい方、又、ハードタイプのワックスやスプレー等を使っていて、しっかりと汚れを落としたい方は洗浄力の高い成分が最初に表示されているシャンプーを使う必要があります。
その時々で気になる事柄や季節によってもシャンプー剤を選ぶのも大事な事です。
無添加の商品は良い商品?
何が無添加なのか?ハッキリせず曖昧な場合があります。防腐剤が無添加なのか?香料が無添加なのか?ハッキリしていない場合が有るので無添加だけでは優れた商品とは判断できません。
シリコーンって髪によくないの?
”シリコーン配合”と言う言葉は良く耳にした事があると思います。シャンプーやトリートメント等に配合されている代表的な成分で特にサラサラにしたい場合、シリコーンの質感向上効果は非常に有効てす。例えば、シリコーン入りのシャンプーで洗いシリコーン入のトリートメントで洗い流しドライヤーで乾かす前にシリコーン入のアウトバス(洗い流さないタイプ)のトリートメントを塗布し乾かし、仕上げにシリコーン入のスタイリング剤で仕上げる。
そんな事を毎日、繰り返していたらどうなると思いますか?当然、髪に蓄積されてしまいます。そうなるとパーマやカラーの結果に影響が出てしまいます。カラーでは色が入りにくかったりパーマでは、かかりにくくなります。思った通りの結果が出にくいと放置タイムを長くしたり更に強い薬剤を使用したりと髪のダメージが大きくなる可能性があり悪影響を及ぼしてしまいます。ですからシリコーンもサラサラ質感を出すには良いのですが蓄積された場合が問題なのです。
自然由来の染料だから髪や頭皮に優しいとは限らない!?
植物性の染料であるヘナカラーの特徴と注意点として は髪へのダメージは無く質感はサラサラになります。カラーでアレルギー反応を起こすジアミンの成分が入って無いのでカラーを諦めていた方もヘナでなら染める事が可能です。しかし絶対に安全とは言えません。食品の蕎麦や小麦でもアレルギーを起こす人もいますし植物アレルギーの人もいますので注意は必要です。
温泉って♨️肌に良いから髪にも良いんでしょ!
良く温泉の効能で肌がスベスベになり”美人の湯”なんて言葉がある位で当然、髪にも良いと思っている方も多いと思います。天然温泉の場合、強酸性から強アルカリ温泉まで色々ですがアルカリ温泉が大部分を占めています。
アルカリ温泉の場合は髪のキューティクルが毛羽立ち(キューティクルが開く)ダメージに繋がるのでシャンプー後に酸性のリンスやトリートメントで髪を弱酸性に戻さなければなりません。温泉はミネラルも豊富なのでアルカリとミネラルにより髪にゴワつきが出てしまいます。お肌はスベスベになり体は疲れが取れて良い事ずくめですが髪にとっては要注意なのです。
髪のダメージが大きいのは海、それともプール?
海の水もアルカリ性、又ミネラルも豊富なので、温泉と変わりありません。泳ぐとなれば髪も海水に浸るわけですから先述の温泉と同じ様に酸性のリンスやトリートメントで髪を弱酸性に戻す事が大事になります。又、プールでは塩素が消毒の為に使用されています。塩素にはタンパク変性作用が有るのでタンパク質で出来ている髪の傷みに影響を及ぼします。但し塩素成分はビタミンCのアスコルビン酸で中和する事が出来ます。
ドラッグアストアで販売されているアスコルビン酸の粉末をシャンプー剤に混ぜて使うと中和されて効果的です。
ペーハー(PH)を調べてみました。
酸性、アルカリ性を調べるのにペーパー(PH)試験紙があります。
因みに梅干しとレモンのPHを調べてみます。両方共に最高値の強酸性を示しています。
髪にとって一番、安定する弱酸性、髪にとって良くないアルカリを中和させるにはアスコルビン酸があります。これをシャンプー剤に混ぜると効果的です。
シャンプー剤のアルカリ度を調べてみました。アルカリ性に傾いているシャンプー剤
微量のアスコルビン酸を先のシャンプー剤に混ぜました。髪が最も安定する弱酸性を示しています。弱酸性のシャンプー剤が髪の為には理想的。
髪が湿ったままで寝ると翌朝、バサバサは何故?
髪が濡れた状態では表面のキューティクルが開いた状態になっています。水は(PH7=ペーハー7)中性なので濡れた髪の状態は中性になっています。
髪は弱酸性で最も安定しますのでPH7で中性といえどもアルカリに傾いた事になります。アルカリに傾くとキューティクルは開いた状態になります。
キューティクルは髪の表面を覆っていますので内部の栄養や水分が流出するのを防ぐ蓋の役割を果たしています。
キューティクルが開いたままでいると蓋が開きっぱなしの状態になるので隙間から髪の大事な成分であるタンパク質(栄養分、水分)が流出しやすい状態になっています。
寝ている間に枕での摩擦によりキューティクルが傷み最悪、欠落する事もあります。ですから髪が濡れたままで寝るとダメージを起こしやすいので避けなければなりません。
髪を冷ます事で完全にキューティクルが閉じ傷む原因を無くす事が出来ます。それに髪を冷ます事でスタイルが整いやすくなります。ドライヤーの温風でスタイリングした後、更に冷風を送る事によりスタイルも固定され、キューティクルは完全に閉じられる事になります。
キューティクルが完全に閉じてしっかりと重なり合っていれば髪の表面が滑らかになり艶も良くなりスタイルの収まりも随分とよくなります。ドライヤーの【温風】と【冷風】を上手に使いこなすのも大事な事と言えます。
髪のダメージはカラーやパーマ等の化学的な事ばかりが原因の様に思われがちですが先述の様にシャンプー剤の選び方はじめ御自身のお手入れである物理的な事もダメージに大きく影響を与えています。日々、健康な髪を維持するには大切な自身の髪を、大事に扱う心がけが必要な事だと思います。