月日の流れと共にヘアースタイルもトレンドが変わって行きます。
今、現在、最旬のスタイルが5年、10年経つと古臭いものに変化していきます。
その為、私達、美容師も常にアンテナを張り新しいスタイル作りの勉強が必要になります。いかにトレンドが次から次へと移り変わったとしても、ある程度の基礎技術が確立されていれば、どの様にも対応する事は可能です。
美容師の仕事の基本
美容室でも色々な仕事があります。
まずヘアースタイルを作る上で土台となる部分はカット技術です。
いくらパーマ、ヘアカラーの技術が良くてもカットがいい加減だと良いスタイルの完成はありません。カットの基本はワンレングス、グラデーション、レイヤーです。
後、セニング(削ぎ)は毛量調整、質感を表現する為の技術です。
これらをマスターしていれば移り変わるトレンドにも充分に対応可能になり取り入れる事が出来ます。
後は私達、美容師それぞれの感覚(センス)も関係して来ると思いますが•••
講習会で知り合った Yさん
時々、講習会に出掛けます。
講習会で知り合ったYさん、何故かいつも私の隣に座っています。
まず先生がモデルさんを使いお手本のヘアスタイルを作って下さいます(この日はカットではなくセットスタイルです)私は少しでも多くの事を吸収したくてメモを取ったり、写真を撮ったりして取り組みます。次は自身のモデルウイッグ(練習用の頭部だけのお人形)で先程の先生のヘアースタイルを真似てスタイルを作ります。Yさんも私の隣でいつも頑張っています。
石川陽子先生の作品
先生のやり方通り忠実にやらなければならない所、鏡を見ながらお客様に似合う様に感覚的に自由にやるべき所があります。
Yさんは色々と私に「これで良いかな?」とか「これって、どうだったっけ!」等と良く聞いてきては仲良くやっています。
まさかの 断毛
そんなある日の講習会でYさんが話掛けてきました。
「私、今日、元気が無いでしよう!」
「そうだね!どうしたの?
Yさん 「私、今日、元気が無いでしよう!」
私 」
Yさん 「常連のお客様がパーマにみえたの」
「髪が凄く傷んでいたけどね」
「時間が来てロットアウトしたら前
頭部、頭頂部の毛が根本からプツンと
切れてしまっててね」
ヘアースタイルを作る上で前頭部、頭頂部の毛髪が根本から切れてる状態ではもう残念ながらヘアースタイルにはなりません。
これだけで断毛は避けられる!
私もまだ経験の浅い頃には、それなりに失敗はありました。流石に断毛までは有りませんでしたが・・・毛髪をロットで巻きゴムで留めた後、ゴムの圧力が毛髪に掛かりその上に薬液が溜まると好ましくない結果になります。特に損傷の激しい毛髪(タンパク質が流出した毛髪)は断毛という悲しい結末が待っています。ピックをゴムに通す最低限、これだけでも行えば断毛は避けられます。
長年、仕事をして来て毛髪の損傷状態を見て料金が頂けるだけの結果が得られるかどうか?の判断は出来るようになりました。
ちょっとムリだな!と判断すると「綺麗なウエーブが出る状態では無いので髪がもっと元気になってからパーマをかけましょう。今日はカットだけにしましょうね。」とお客様を説得する事が出来るようになりました。
経験を積みながら喜ばれる美容師に!
今回、少し経験が足りなかったYさんは辛い思いもしましたが又、これを踏み台にして頑張って欲しいと思います。又、断毛されたYさんのお客様もお気の毒だったと思います。髪が伸びる間、憂鬱な日々を過ごす事になりますから。
私達、美容師は1人1人、大切なお客様を担当させて頂き大きな責任があります。
お客様も私達を信頼し、来店して下さっています。
お客様を落胆させる事無く喜んで頂ける様に日々、精進して行かなければならないと心、新たにしています