美容師になり沢山の時が流れ多くのお客様を担当させて頂いて来ました。
ヘアスタイルを作る事に重きを置いて来ましたので’髪の健康'、’毛髪の科学’については、正直な所あまり学んでは来ていません。
しかし、一昨年頃からビックリした事があります。美容室をオープンしてから長年に渡り施術をさせて頂いている数人のお客様の髪が酷いダメージを受けてしまったのです。担当している私としては責任を感じてしまいます。
お客様1人1人、状況は違います。
パーマだけでカラーはやらない方、パーマ、カラーの両方の方、
その方の状況に合わせて数種類の薬液の中から、その方に合った薬液を選び
施術の前には前処理、施術の後には後処理
をし、パーマ液やカラー剤の中にはコラーゲンを混ぜたりと髪の傷みを極力、小さく出来る様に施術します。
数人のお客様が立て続けに酷いダメージを受けてパーマも綺麗なウェーブが出ない状態になってしまったのです。長年、問題無く髪の健康を保ち続けて来たのに!
これは一体、どうゆう事なの⁉️
どうして⁉️どうして⁉️
毛髪の構造
ここで、ちょっと毛髪の構造の話をさせてもらいますね。毛髪はタンパク質で出来ていて髪の毛、一本を1つの筒と考えます。
筒の中にギッシリとタンパク質が詰まっている状態=健康な髪
筒の中からタンパク質が抜け出てスカスカになった状態=ダメージを受けた損傷毛
健康毛=ハリ、コシ、艶があります。 図A
損傷毛=ハリ、コシ、艶が無くヘヤスタイルがまとまらなくなります。 図B
ちょっと専門的になりますが
この筒の中のタンパク質にパーマ液やカラー剤が働き掛けてウェーブを形成したり、色を変えたりします。
しかし、スカスカでタンパク質の無い空洞の状態では働き掛ける物、それ自体が欠損している為、結果が出る事はありません。
パーマも掛からないし色も求められません。
そうなると私達、美容師は悲しい気持ちになります。
同じシャンプー剤を使っていた!
話を元に戻しますね!
損傷毛になってしまったお客様に聞いてみました。「髪の状態が随分と変わってしまったのですがシャンプー剤、変えられました?」
「ハイ!変えました。」
「何に変えられました?」
「○○メーカーの○○シャンプーです。」
その後、数人のお客様が同じ状態になりました。
その度に私は「シャンプー剤、変えられました?」と同じ質問をしました。
「○○メーカーの○○シャンプーです。」全員、同じ答えが返って来たではありませんか‼️ビックリすると同時に恐ろしくなりました。
長い美容師人生の中でも、こんな経験は初めての事です。
その後、このシャンプー剤のテレビCMを何度も見ました。
このCMを見たら「私も使ってみたい!」と思う様な素敵なCMでした。年齢と共に髪のハリ、コシ、艶、ボリュームが無くなり、それが一気に解決出来る様なイメージのものでした。
こんなCM見たら誰だって買ってしまうでしょう!(買った人は絶対に責められないよ!)
このCMを見た絶対に責められない1人の方が来店されました。「どうして、最近、こんな変な髪になったんだろう?」「人一倍、健康にも気を使い、食べる物にも気を配って来たのに?歳のせいなのかしら?」と嘆かれました。
その頃には指先で髪の毛先を引っ張るとプチプチと髪が簡単に切れる状況になっていました。
そして私に「パーマやカラーの薬液を変えたのですか?」と質問してきました。
私は「長年、変えていません。貴方の髪の状態に合うベストの薬液を使って、やらせて頂いているつもりです。」と答えました。
「貴方だけで無く何人かの方が同じ状態になってます。共通する事は皆様、同じシャンプー剤に変わられています。」とお話ししました。
彼女も例のCMに魅せられ同じシリーズでコンディショナー、スタイリング剤も買い揃えてるとの事でした。「勿体無いけど全部、捨てます」と仰いました。
恐るべしこの破壊力!
損傷毛の原因となっているであろう物(シャンプー剤)を排除した結果、徐々に回復して2ヶ月も経った頃には皆さん大分、健康毛に近づき現在は何ら問題なくなりました。
シャンプー剤は毎日の様に使う物なので結構、影響力は大きいと思います。
綺麗になりたくて綺麗になれると信じて選んだ物が実は真逆の物だったなんて可哀想です‼️酷いです‼️
これを機に私も’髪の健康’、’毛髪の科学’をしっかりと学び商品の成分等についても学びシェア出来ればと思います。